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特集

体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編

連続特集:「人生の必修科目。大学生のための、"先取り介護学"」(4)
静岡県の大学生が、いま・これからの“介護”を考える本特集。
これまでの静大フューチャーセンターでのセッションや、英和学院大・見平先生との対談を通じて、介護に関して普段から抱いているイメージが知らず知らずに定着しているものだと気づかされました。また静岡県介護の未来ナビゲーターの介護職員のみなさんには、介護現場で“はたらく人”として自身の仕事の魅力についても教えてもらいましたが、まだまだ大学生にとって現場のイメージを具体的に持つことは難しいのでは。
そこで大学生が実際の介護の現場に赴き、話だけではわからなかった介護の本当の魅力や大変さ、イメージとは違う(?)現場の空気を感じてきました。今回は、大学生がつくる情報誌の編集を行うわたしたち『静岡時代』編集部が、浜松市にある「きじの里」を訪問。最先端の施設について学んできました。


体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編

◉訪問先:総合福祉施設「きじの里」
スタッフ・山口隼司さん(静岡県から委嘱された介護の未来ナビゲーター、写真左)
総合福祉施設「きじの里」のケアワーカー。
自身のお父さんが高齢者施設で働いていた影響もあり、「自然な流れで自分もケアワーカーになるんだと思っていました」と山口さん。

◉訪問したのは:静岡時代編集部(計2名)
静岡県で学び尽くしたい人におくる、大学生による大学生のための雑誌『静岡時代』をつくる編集部。
静岡県の介護×大学のコラボで静大FCとのセッションなども企画。“介護”と大学生とがどのように関わっていけるか、今後の情報発信も模索中。


(過去記事)静岡県の大学生が介護の未来を考える〜静大FC特別セッション〜
http://gakuseinews.eshizuoka.jp/e1415512.html


■多世代間交流がうまれる場。
介護施設=コミュニティ・カフェ!?


静岡時代編集部の一行が向かったのは、浜松市にある総合福祉施設「きじの里」。静かで小高い場所に建てられた施設には、なんと高齢者施設だけでなく、保育園や障害を持つ人が暮らす居住スペースも並行で運営されているのです。この日施設の案内をしてくださったのは、同施設ケアワーカーで介護の未来ナビゲーターの山口さん。平成23年に設立された比較的新しい「きじの里」のヒミツをたっぷりと教えてもらいました。

体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編

体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編
▲晴れた日は眺めも気持ちいい3階のデッキ。下を眺めれば子どもたちが元気いっぱい園内を駆け回る様子もみられます。

「きじの里」の基本方針は「0歳から100歳まで地域で共に暮らし続ける施設を目指して」。
施設の1階を保育園スペース、2・3階は高齢者施設の機能として、基本方針に沿った世代間交流が日常的に行われています。
お年寄りにとって子どもは元気の源に。子どもにとってお年寄りは、交流の中でおもいやりの心を学ぶきっかけになったりと、先生のような存在でもあるそうです。

体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編
▲きじの里のとっておきスペース(本格的なステンドグラスできじが描かれてます!)。もともとこの地域にはきじがいたそうで、施設のシンボルになっています。実は、右端の木の遊具で下に降りることができ、保育園スペースとつながっています。

体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編
▲先述した木の遊具に、大学生も入ってみました。つくりが精巧!

施設内では、放課後近所の小学生があつまる放課後児童クラブも実施されたり、周辺自治会と防災に関する連携を取っていたりと、この施設自体が地域の人にとって“なくてはならない存在”に。人口減少社会、こうした多機能的な高齢者施設はこれからも増えていきそうです。「きじの里」はまさに静岡県の未来の高齢者施設の形を表しているトップランナーとも言えそうです。
ちなみに、誰でも立ち寄れるカフェスペースも併設しており、近所の方が散歩のついでに利用する姿も定着してきているとのことでした。


体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編
▲施設訪問に参加した静岡時代編集部の河田弥歩(左)、小泉夏葉(右)。

体感! 大学生の介護の現場訪問録(3)—きじの里編
▲「きじの里」ではたらく山口さんと、生活相談員の袴田さん(右)に、仕事の醍醐味を伺いました。

「きじの里」は、本当に明るくてゆとりある構造が印象的でした。(むしろ「私たちも住みたい」と思えるくらい雰囲気も良かったです)
こちらでケアワーカーとして働く、今回案内をしてくれた山口さんと、生活相談員として働く袴田さんに、いまのお仕事のやりがいや苦労について伺ったところ、「自分がやったさりげないケアを利用者さんが覚えていてくれて、ありがとうと声をかけてもらえた時は格別」「亡くなった利用者さんのご家族に感謝の言葉をいただき、自分だけでなく他の職員とも共有するときは感慨深い」と、人の人生に関わる仕事の喜びを教えてくださいました。一方で、「もちろん肉体的につかれることはあります」と率直なお話も。介護は利用者さんだけでなく、その家族との関わりもあったり、気を使う場面の多い仕事。たしかに大変さもありますが、でも仕事って、ラクしてできるものではないのではないでしょうか。気の使いどころは仕事の種類によっても違う気もしますし、一概に介護だから大変、というわけではないはず。

最後に、職員の山口さんから、わたしたち大学生向けにメッセージもいただきました。
「ぜひ若いうちから、福祉やお年寄りに対するイメージを具体的に持ってもらえたら嬉しいです。一緒に暮らしている人も少なくなってきているので、なかなか接点を探すのは難しいかもしれませんが、年のうんと離れた方から学ぶことは多いですよ。きじの里では、普段から見学に来てくれる方も受け入れていますので、気軽に声をかけてください」。
介護は誰しもがなんらかの形で関わる道です。静岡県の介護の現場をまずは体感し学んでみたいという方は、ぜひ手を上げて、少しでも自分ごととして関わる機会をつくってみてはいかがでしょうか?



◉『介護の未来ナビゲーター』は静岡県内の若手介護職員が結集し、日々介護職にまつわる情報発信中。今回お世話になった山口さんもそのおひとり。静岡県の介護の現場について、もっと知りたいと思ったら、以下のリンク先も要チェックです!
・HP:http://kaigonavigator-shizuoka.jp/
・Facebook:「介護の未来ナビゲーター」で検索!
「介護の未来ナビゲーター」HPでは、介護人材に関する現状や介護のしごとをより詳しく知ることができます。



「人生の必修科目。大学生のための"さきどり介護学"」シリーズ
(1)静岡県の大学生が介護の未来を考える〜静大FC特別セッション〜→ http://gakuseinews.eshizuoka.jp/e1415512.html
(2) 大学生の介護の現場訪問録〈晃の園編〉→ http://gakuseinews.eshizuoka.jp/e1460297.html
(3) 大学生の介護の現場訪問録〈ぬまづホーム編〉→ http://gakuseinews.eshizuoka.jp/e1461741.html






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