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静岡時代 シズオカガクセイ的新聞

編集室より

「カレッジサミット ミーティング」―7月23日休眠知識発掘ワークショップを終えて

遅くなりましたが、以前より静岡時代や静岡未来、このシズオカガクセイ的新聞でも名前を出している「カレッジサミット」構想について、静岡県立大学の宮崎研究室が行っている休眠知識発掘ワークショップにてプレゼンテーションをしてきました。

シズオカガクセイ的新聞過去記事→「CSミーティング−6月24日(月)」

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▲プレゼンテーションの模様!

参加してくださった方々の半数は学生(静大、県大、常葉など多様な大学から集まってくれました!)。その他、大学教職員をはじめ幅広い職業の方が参加してくださいました。ご参加ありがとうございます!

◇◇◇「カレッジサミット」ってなに?

現状、わたしたちが考えているカレッジサミット構想は、東部・中部・西部の地域ごと分かれていてなかなか交流の機会の少ない大学生が大学の枠を超えて一同に集まる寄り合いをひらく!というもの。
一言でいうと、「大学の”研究や活動”のお見合い」。
例えば、静岡県の学生の研究や活動を(超アカデミックなものからマニアックなものまで、大学も学部も超えて!)もっと外へPRする場として。
あと静岡の大学や街をもっと面白くするためのパネルディスカッションもあって。〆には学食でもいいし、飲み屋でもいいんですけど、とにかく飲み食いする打ち上げ(大事です!)があって……。
そんなざっくりとした展開を考えています。

静岡県の大学生は約3万5千人。
オール静岡の大学社会ができたら、大学でできることの次数があがります。

とはいえ、なんでするのか?目的ってなんだろうという話です。
わたしたちは静岡の大学生ですが、これまでわたしたちは静岡で学ぶということ、静岡の大学生であるということを考えてみたことがあったかなと思うときがあります。

グローバル化が進むなか、大学教育はどこでも誰でも受けられるようになりました。
それはすばらしいことですが、一方で、どこでも誰でも受けられる教育というのは、どこでもいい誰のためでもない、宛先のない教育ともなりかねないのではないでしょうか。
静岡に、「大学コンソーシアム設立へ」という動きがあるように、地域にとっての大学、静岡で学ぶということの価値がいま問われています。

静岡県の大学は、静岡の大学のことをだれよりも思っている。むかしの静岡の人は、静岡の学生が静岡の将来を背負うことを期待して大学をつくった=企画したのだと思います。

だからこそ、静岡の大学生であるわたしたちは、静岡県でなぜ学ぶのか、静岡に大学生がいることの意味を考えて、伝えていく必要があるのではと思うのです。
それができないと大げさかもしれませんが、大真面目な話、50年後、静岡県に大学がなくなってしまうかもしれない。例えあったとしても、私大はみんな「早稲田」「慶応」とか冠についていて、国公立大学はこじんまりひとつに統合されていたりして。

静岡県の大学が50年後も100年後もあって、大学生がいて、幅広い地域から人々を惹き付ける場所であってほしい。
そのためにわたしたち大学生ができることを考えてつくっていきたい。
そういう思いから立ち上げた構想が「カレッジサミット」です。

この構想に関して、先月のワークショップでは「面白い」「やや面白い」と答えてくれた人は全体の約8割!
カレッジサミットに対して各々感じるメリットや面白いと思う展開をたくさん教えていただき、話し合うことができた会でした。

「カレッジサミット ミーティング」―7月23日休眠知識発掘ワークショップを終えて
▲参加者のみなさまからの反応!ホワイトボードがぎっしり!

◇◇◇ この日、直面した課題とわたしたちのきもち

大学生同士、大学生と地域とのつながりによって、大学生や大学、地域の底上げが期待できると好評をいただく一方で、目的意識をより明確にするという課題も浮き彫りに。
ワークショップで得たヒアリングの詳細はこちらをご覧ください!
「7月23日休眠知識発掘ワークショップ カレッジサミット構想〜ヒアリング結果〜」

ワークショップ後の今日のミーティングで話し合ったのは、ヒアリングをもとに現状の課題や第三者から見たカレッジサミットの「強み」「ヒント」を整理し、「カレッジサミットをなぜやるのか?」を改めて再考していくことです。

なかでも話し合ったのは、「なんとか大学教育改革まで持っていってほしい」という反応。確かに大学生活って楽しいです。いままでよりも自由に使える時間がずっとたくさんあって、大学にいる間、何をしようと選ぶのも決めるのも自分次第です。

でも、わたしたちはあくまで「大学生=初学者=問いをたてる者」であって、それぞれの大学で、研究者である先生のもとについています。
たとえばよく聞くのが、「大学3、4年生になったら研究で忙しくなるから、1、2年生のあいだに単位は取れるだけ取ってしまって、就活や研究を余裕もってできるようにする」ということ。

でも、振り返ってみると「損したな」って思うんです。卒業間際になって、「この先生の講義もっと受けたかった」「大学に進学してこのまま卒業していいのかな」「もっと勉強したい」って思うんです。大学に、ずっとみてきてくれた先生に、そして大学生であった自分自身になにも残せないまま卒業していく。

とはいえ、たった数年間の研究で先生に返せるものなんてほとんどないとも思っています。
大学の先生には、「たとえばあなたが私と同じように学者になったとしたら、あなたがわたしに恩返しをしたいと思ってくれているのだとしたら、あなたが学んだことを次の世代へ伝えていってください。それがあなたにできる恩返しです。たとえ学者にならなかったとしても、こうして違うかたちで、ここで得た"学び"をつなげていこうとする姿勢そのものが心から嬉しいです」と言われました。

この言葉を言われたとき、頭では分かってはいても、しんどかったです。もちろん嬉しさもありました。
そうだな、と思う反面、それでもこの大学在学中にできたことってあったんじゃないかな?と悔しさがこみ上げてきました。

カレッジサミットの「静岡県の大学生の研究をもっと外へ」というのは、初学者であるわたしたちが「大学生である自分」と向き合って、自分の言葉で「わたしは何者であるか」、大学生の等身大の学びを伝えるということ。
それを通して、「わたしたちはちゃんと静岡の大学生であった」ということを実感したいんです。
なんとなく卒論を書いて、卒業していくのではなく、自分の研究にもきちんと向き合うきっかけがほしい。卒業間際になって気づいても遅いんです。
もしかしたら、自分が思っているよりも目の前の研究はずっと面白いのかもしれない、超マニアックな学問でもだれかの役にたつのかもしれない。もしかしたら、他の大学・学部の研究にヒントがあるかもしれない。先生が学会に行くように、たまには研究室から外へでたらなにか起こるかもしれません。

またもっと言ってしまうと、よく「学生の声を聞きたい」と耳にしますが、企業や街のひとは、ほんとうに大学生の声を求めているのでしょうか。マーケティングという目的を除いて、聞きたいことってあるのでしょうか。企業のかたは特に、「学生」というフレームのなかで考えられること・ものを一番よく知っているはずです。

だからわたしたちは、「大学生の学び」を最大限に伝えたい。超アカデミックなプレゼンで参加者に「え、なにこれ、わからん(※褒め言葉です)」と思わせたり、マニアックなプレゼン(例えば、「地球科学科で石けずってます!断面が美しいんですよ、ほら!」みたいな)で「うおー、すごい」とか言わせたり。
もちろんコラボレーションが生まれたら大学生には刺激になるし、全く未知の分野でも頑張っている学生の姿を見たら応援したくなります。専門分野を利用して超くだらないけどスゴイ(※褒め言葉です)ことをしちゃう学生もいるんです。そういう学生をみたら、勝負したくなったり、応援したくなったり、自分の会社に引き抜きたい!と思うかもしれません。

「どのような展開が面白いか?」という質問に対して、「成長を見せてもらうのが最高に面白い!」と答えてくださった方がいます。
わたしたちは、大学生の研究や学びをどんどん外へPRする場を設けることで、その成長を例えば先生に、大学に、同じ大学生に、未来の後輩となるかもしれない高校生に、静岡の街に最大限に伝え、静岡で学ぶということのプレゼンスを高めていけるような場にしたいと思うんです。

オープンキャンパスとも、フューチャーセンターとも違う(この差別化・強みを明確に伝えていくことも課題のひとつ!)。

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目的意識ももちろん大切で、これはすぐに幅広い人へメリットを及ぼすものではないかもしれません。
ですが、この悔しさを毎年卒業して行く大学生のうちどのくらいの学生が感じているんでしょう。何度それを繰り返すんでしょう。
わたしたちは、わたしたちが好きに学んでいることでおこる「いいこと」を最大化していきたい。そしてそれを静岡県の大学生、卒業生、そしてこれからの後輩へと伝えていきたいと思うんです。

具体的な目的意識には及ばないかもしれませんが、これがわたしたちの根本にあるカレッジサミットをやることに対する個人的な気持ちです。

この気持ちに、参加者のみなさんからのいただいた知恵やヒントを足していきながら、わたしたちの考えている現在のフィールドを広げ、フレームアップを図っていきたいと思います。

まずは整理した課題を企画に活かし、CSインタビュー(カレッジサミットについて先生や経営者、幅広い職業のかたに聞きまくるインタビュー企画)を重ね企画をブラッシュアップし、実現へとつなげていきます。

引き続き応援よろしくお願いします!

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この記事へのコメント
 毎度お世話になります、掲載ありがとうございます。

 大胆なアイデアをもつ人を形容する際「頭の中に鳥を飼っている」と言います。常識の枠内で真面目に考えすぎると、その鳥が窒息してしまう。常識から多少ずれていても許される(?)学生の特権として、もっとみんなの頭の中の鳥を羽ばたかせたら面白いのに、と思います。今後の諸君の動きに期待します。

 さて静岡県立大学国際関係学部宮崎研究室ワークショップでは、失敗の憂き目にあったorまだ実行に移していないが心細い(?)アイデア・技術・計画を募集しております。
http://www.facebook.com/kuniomzk

もしそうしたアイデアを発表したいと考えている方がいらっしゃいましたら、どうぞ上記Facebookページよりご連絡頂けますと幸いに存じます。
Posted by Kunio Miyazaki at 2013年08月15日 17:25

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