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編集室より

【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!

静岡時代6月号(vol.39)

こんにちは。
静岡時代6月号編集長の山口奈那子(常葉大学外国語学部英米語学科4年:写真右)です。
およそ1ヶ月の制作期間を経て、静岡時代6月号が、6月1日に発行されました!
この5月は春や初夏の味わいを感じさせないくらいに、とにかく『静岡時代』をつくるということに突っ走った一ヶ月でした。ようやく出来上がった冊子を目にして、「一人でも多くの人に読んでもらいたい」。私はいま、そんな気持ちでいっぱいです。


【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!
▲写真左は、制作期間中、私や編集部メンバーを支えてくれた副編集長。

■テーマは「神」。
「山口さんは禁断の扉を開いたよ」(by 住職 松下さん)


静岡時代6月号の巻頭を飾るテーマは、ズバリ「神」です。
日本人にとって宗教は、あまり馴染みのないものであると思います。私自身、特になんらかの宗教を信仰しているわけでも、神を信じているわけでもありません。外国で暮らしていた頃、異なる宗教観をもった人と関わるなかで、「なんで人は神を信じるのか?」「神を信じていて本当に幸せになれるのか」ということがすごく疑問でした。

神は安全を保障してくれるわけでも、存在が本当かどうかもわかりません。みんな「自分とその周辺が平和でありたい」と思うのは同じはずなのに、時に宗教観をめぐって争いも起きます。私は世間のニュースをみていても、神を信じて本当に幸せになれるとは到底思えませんでした。神様は本当に必要なのだろうか?そんな疑問から今回の特集は動き始めました。

特集では、姿かたちもない「神」という概念を言語哲学の面から掘り下げたり、まさかの神職と住職(と編集長)による対談を繰り広げたり、六千年前の地図をもって古代から静岡へ残る神的・霊的な場所を歩いたり、哲学の先生に神による幸福論をお聞きしたりと、とてつもなく大きなテーマを掲げています。
取材に協力いただいた長興寺 住職の松下さんからは「禁断の扉を開いたね」というお言葉をいただきました。視点も面白いし、論文も書けるほどのテーマとのこと(実はわたし卒論で「神」をテーマに扱いたいほど、神に興味津々です。とはいえ、信仰しているわけではありません)。


【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!
▲静岡市葵区、谷津山の西麓にある清水寺です。徳川家、今川家とも縁のある、非常に歴史の古いお寺。

■静岡時代10周年の今年、企画立ての構造は新境地へ。
「自ら仮説を立て、自らの足と頭をつかって、主張をする」


今までの静岡時代と、今回の静岡時代の特集では、大きく違うところがあります。
それは、大学の先生や識者へのインタビューを行っていないページがあることです(11〜15ページ)。
これまでの静岡時代は特集のテーマ(大学生の立てた問い)を、静岡県内の大学の先生や識者の知恵でどのように紐解くことができるか、大学の学智を絡めることで知らず知らずのうちに読者を「お、この○○学って面白そうだな」「静岡県の大学にいったらこんなこと学べるんだ」と学問の入り口に立たせてしまうようなものをつくろうとしていました。
あくまでベースが「インタビュー」だったんです。どんなに考え抜いた問いを立てても、問いに主張をこめても、どこか「受け身」。それがこれまでの『静岡時代』のある種の限界点でした。

今回は「神」をテーマに、ある仮説を立てました。地図を眺めていると、社寺が集中しているのは山の付近だったり、そのなかでも密集しているところがあったり、とにかく点在しているようで点在していない。図書館に行くと、縄文時代の沿岸部周辺に社寺が集中していることがわかりました。古代、陸地であった場所に社寺やお墓がある場所、一方で人が住めない海だった場所にはいまも人が住んでいない、住んでいてもどこか寂しげな土地だったりします。

【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!
▲静岡市葵区柚木にある、静岡縣護国神社。1889年創建。
【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!

ちなみに、面白いことに「大学」は古代のお墓のうえに建っているのも不思議でした。ほぼすべての大学が古代の陸地に建っていて、そういうことを発見した時に、「もしかしたら大学も神的聖地なのかもしれない」と思ったんです。
だって、大学は「自由」でなくてはならない場所です。世の中の「こうあるべきだ!」というような社会の制度やしがらみ、資本主義の考え方から、ある程度の自由を確保していて、そこで知的な活動をする場所(でした。いまはちょっと違ってきている)。

学術的な根拠はないけど、先行研究を探しながらも自分たちの足と頭を使って照らし合わせたときや、こうした仮説やそこから見えた静岡県の全く新しい風景に出会えたとき、私の中でそれまですごくシンプルだった神様像が変わったように思いました。

自分で調べたからこそ伝えられることって絶対に温度があると思うんです。
問いをたて、誰かの知恵をかりて、聞いたことをまとめるのではなくて、「仮説」と「主張」を(それがどう受け取られるか怖いけど)誌面で展開することって大事だなと制作を終えて思います。不思議と、そういう身をきって言葉や考えを発するページがあると、インタビューページの見え方、読み方も変わる。なんというか前のめりになるんです。この温度が、読者の心を揺さぶるようなものになったらいいなと思います。


【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!
▲取材をすべて終えた編集部メンバーは、制作記事がより読者の心に刺さるよう入稿直前まで考え続けました。
【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!
▲事務所が満員になったため、即席でつくった第二編集室。自分の担当が終わっても、ひとりひとり出来ることを見つけて編集に臨みました。

■静岡時代のキラキラ感、補充しました。
待望の新連載「恋愛相談 by 学術」


もうひとつ、今号の編集長のおすすめは新連載「恋愛相談 by 学術」です。
実は、今年4月からの連載開始を打ち出していた企画が満を持してスタート!

連載第一回目は、静岡英和学院大学の波多野純先生に「思い出の品処理方法」について、社会心理学の面からお答えいただきました。

一見、大学生の恋愛における悩みに先生が答えるというものに思えるかもしれませんが、そうではありません。これは「恋愛」という誰もが読みたくなるテーマを学術的に紐解くことで、読者を学問へ誘うという狙いがあるのです。きっと同じ質問でも、「思い出の品処理方法」だったら社会心理学、政治学、民俗学など、切り口となる学問が違えば、全く異なる回答がでてくると思います。

ようやく第一回が形となって、質問をどこまで具体化する必要があるのか、学問の絡め方、恋愛の生々しさをどうだすか、院生に聞くのも面白いのでは……などたくさん改善点がみえてきました。次号の恋愛企画も乞うご期待です!

ちなみに、「思い出の品処理方法」では、私は捨てはしないけど使わずにそっと引き出しの中にしまっておきます。
恋愛に正しい答えなどないと思うので、どう行動をすればいいのか分からないことは多いですが、この連載がみなさんのお悩みの解決につながるかもしれません!


【大学生の恋愛のお悩み、大募集!】
「寄ってくるのがダメ男ばかりなのは何故?」「気になる女子が長男は嫌いと公言。僕は長男。一体どうしたら?」など、恋愛に関するお悩みを募集しています。大学生限定。恋愛に関する相談事項と、大学名・学部・学科・性別・学年を明記の上、以下、お問い合わせ先までご連絡ください。大学生の恋の悩みをアカデミックに白黒つけます!

【宛先】
・静岡時代編集部:henshu(ここに@をいれてください)shizuokajidai.org
・記入事項
(1)お名前《※記事掲載時はイニシャルで記載致します》 (2)恋愛の悩み
(3)大学名、学部、学年 (4)性別  





私は編集長を務めて改めて静岡時代は多くの人に支えられて成り立っているということを身を持って感じました。取材を受けて頂くということは本当にありがたいことなんだと!みなさんの協力なしでは完成することができなかったと本当に思います。

どうして人は神様に惹かれるのか。実は深層の部分で私も神様に惹かれていました。概念としての「神」や、その概念を古代の人がどのように捉えていたのか、その痕跡は静岡県にも残っています。編集長であるわたしが言うのもあれですが、本当に面白いです!お見かけしたら、ぜひ、お手にとってください。


【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!


◉巻頭特集
【静かな岡の神探し】
六千年前の静岡の地図を開くと、古代より大切にされていた場所は今も変わらず残されていることが分かる。そしてなぜかその近くには大学がある。もしかしたら大学とは神的聖地なのかもしれない。知れば知るほど面白い、静岡の歴史を歩こう!

【最新号】静岡時代6月号:発行のお知らせ!


〈目次〉
p2~3―旬の大学生4人に聞く、究極の選択
——「もしも“絶対に返ってこない”とわかっている状況で「お金をかして」と言われたら、そのときどうする?」

p4~6―神様を論破する、神総論。正直、神って本当にいるの?
——静岡県立大学国際関係学部 飯野勝己先生

p7―外国人に聞く、神の住まう秘境from静岡

p8〜10―静岡の神的物語?神×仏(+本誌編集長)対談 @浅間神社
——長興寺住職 松下宗柏さん・静岡浅間神社 宇佐美洋二さん

p11〜13―21世紀の街の景色は古代の祈りでできている?
——本誌編集長、副編集長の、神様探しフィールドワーク@谷津山周辺

p14〜15—静岡県の大学は古代の聖地の上に立っている?

p16—エッセイ「編集長の神雑感」

p17〜19―古より受け継がれる神の形は「道徳」でした
——静岡大学名誉教授 松田純先生






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