時事
特別講義!〜介護福祉の捉え方〜教養のための介護入門(2)
『社会活動』と『介護』の関係とは?
地域社会の運営においても、「介護」は重要なテーマのひとつ。今回は静岡県立大学短期大学部社会福祉学科・鈴木俊文先生に、学生の地域での活動と介護の関わりについて聞きました。

■鈴木俊文先生
静岡県立大学短期大学部社会福祉学科講師。専門は介護福祉学、福祉経営とリーダーシップ等。ゼミでは学生と共に地域福祉推進チームをつくり、市町の福祉計画の活用や個人と計画の関わりについて考えている。
介護を専門に学んでいる・いないに関わらず、大学生の皆さんに「教養」として介護を知ってもらうことは、介護を知る一つの入口になると思います。人間のライフサイクルを考えると、誰もが介護をし、介護をされる側となりますから、自らも通る人生の道であるとして、介護を捉えてみてもらえたらと思います。
一方、自分のライフサイクルから考える介護は、中心が「自分」ですよね。現在は、様々なケアを地域で展開していこうという『地域包括ケア』の動きも活発になり、各市町や自治会でボランティアの育成にも注力しています。社会の中で支え・支え合う、手を貸す・手を借りるとはどういうことなのかに意識的になることも非常に大切です。「介護」という二文字に抵抗感や、何となく遠いものと感じる人もいるかもしれません。でも介護を英語に言い換えると「ケア」ですよね。皆さんヘアケアとか、〇〇ケアと聞くと身近に感じますよね。それって「現状をより良く保つ」という視点です。
いま介護においても同じような視点から『介護予防』という言葉が使われます。これは難しいことではなくて、皆さんも関心の高い地域づくりや社会参画の活動も、介護予防の取組みのひとつと言えるんですよ。地域づくりなどに関わると、多くが多世代での交流を持てますよね。そうした交流が、誰かに何かあった時の手助けや気遣いに実はつながっています。地域コミュニティの形が変わってきている現代において、『世代間交流』は大変重要なテーマなんです。専門的に介護福祉に関わる層と、専門的ではない層の介護への関心の厚みが同じ位になったら、きっともっと明るい社会になるでしょう。
皆さんには、自分の好きなことや取組んでいる活動を通じて、少しでも世代間交流の機会を築いてもらえたら、それは、立派な介護との関わりになるんですよ(了)


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Updated:2016年03月25日 時事