キャンパス情報
せんせいの引き出し〜静岡文化芸術大学:福岡欣治先生〜
静岡時代:せんせいの引き出し
様々な専門分野で研究を重ねてこられた「知識の泉」をもつ先生たちのエッセイをつづる【せんせいの引き出し】。今回は、常葉大学文化政策学部で社会心理学を専門とする猿田真嗣先生のお話をご紹介します。
■就活の思い出〜他人を知るように、自分を知る〜
この文章をみなさんが目にする頃には、街やキャンパスのあちこちで、スーツ姿の大学生を見かけるのではないかと思います。就職活動ですね。今シーズンはとりわけ動きが早く、春休み中に一段落ついてしまった4年生も、それなりの数に上るのではないかと推測します。
私は残念ながら昨今はやり(?)の「実務系教員」とは違って企業でキャリアを積んだ経験はないのですが、かつて大学4年生のとき「ふつうの就職活動」をしていたことがありました。十数年前のことですので今とは少し時間がずれていますが、やはり数ヶ月の間、慣れないスーツを身にまとい、今でいうエントリーシート(当時はハガキが主でしたが)を書いては、何度かにわたる面接や筆記試験を受けたものでした。
おそらく今でも多くの人がそうであるのと同じように、最初はどうしていいやらわかりませんでした。自己分析をするのも志望理由をまとめるのも、やる必要があるのはわかっても、実際何を書けばいいか思い浮かびません。試行錯誤でした。
しかし、何社かの試験に落ち、あるいは受かりしていくうちに、自分が自分について書ける/話せることは、実は迷うほど多くないと感じるようになりました。自分がそれまでにしてきたこと、感じてきたこと、就職活動の以前に、それとは無関係に思い描いていた「こうありたい」という自分の姿。続けてきたクラブ活動のことと、心理学の勉強。その途中で失敗したり困ったり嬉しかったり悩んだりしたことが自分のすべてで、それ以外にはないということに気づいたのです。振り返れば、何より他ならぬ自分自身が、そのように書き、面接官に語っていました。
社会心理学の中に「自己知覚理論」というのがあります。平たく言うと、人は他人について知るのと同じようなやり方で自分のことを知るのだ、という理論です。他人の行動からその人柄が推測できるように、自分の行動の中にこそ、自分とは何かを教えてくれるものがあるのだと思います。
みなさんにとっての就職活動は、どんなものになるのでしょうね。スーツ姿の大学生を見ては、心の中で応援したくなります。
様々な専門分野で研究を重ねてこられた「知識の泉」をもつ先生たちのエッセイをつづる【せんせいの引き出し】。今回は、常葉大学文化政策学部で社会心理学を専門とする猿田真嗣先生のお話をご紹介します。
福岡欣治先生
静岡文化芸術大学文化政策学部准教授。京都府生まれ。専門分野は社会心理学。
ストレス体験を乗り越えるうえでの対人関係の役割に関心をもっています。教壇に立てば受講者から、調査をすれば回答者から、いつも多くのことを教わります。といいつつ、これでいいのかと日々自問。
静岡文化芸術大学文化政策学部准教授。京都府生まれ。専門分野は社会心理学。
ストレス体験を乗り越えるうえでの対人関係の役割に関心をもっています。教壇に立てば受講者から、調査をすれば回答者から、いつも多くのことを教わります。といいつつ、これでいいのかと日々自問。
■就活の思い出〜他人を知るように、自分を知る〜
この文章をみなさんが目にする頃には、街やキャンパスのあちこちで、スーツ姿の大学生を見かけるのではないかと思います。就職活動ですね。今シーズンはとりわけ動きが早く、春休み中に一段落ついてしまった4年生も、それなりの数に上るのではないかと推測します。
私は残念ながら昨今はやり(?)の「実務系教員」とは違って企業でキャリアを積んだ経験はないのですが、かつて大学4年生のとき「ふつうの就職活動」をしていたことがありました。十数年前のことですので今とは少し時間がずれていますが、やはり数ヶ月の間、慣れないスーツを身にまとい、今でいうエントリーシート(当時はハガキが主でしたが)を書いては、何度かにわたる面接や筆記試験を受けたものでした。
おそらく今でも多くの人がそうであるのと同じように、最初はどうしていいやらわかりませんでした。自己分析をするのも志望理由をまとめるのも、やる必要があるのはわかっても、実際何を書けばいいか思い浮かびません。試行錯誤でした。
しかし、何社かの試験に落ち、あるいは受かりしていくうちに、自分が自分について書ける/話せることは、実は迷うほど多くないと感じるようになりました。自分がそれまでにしてきたこと、感じてきたこと、就職活動の以前に、それとは無関係に思い描いていた「こうありたい」という自分の姿。続けてきたクラブ活動のことと、心理学の勉強。その途中で失敗したり困ったり嬉しかったり悩んだりしたことが自分のすべてで、それ以外にはないということに気づいたのです。振り返れば、何より他ならぬ自分自身が、そのように書き、面接官に語っていました。
社会心理学の中に「自己知覚理論」というのがあります。平たく言うと、人は他人について知るのと同じようなやり方で自分のことを知るのだ、という理論です。他人の行動からその人柄が推測できるように、自分の行動の中にこそ、自分とは何かを教えてくれるものがあるのだと思います。
みなさんにとっての就職活動は、どんなものになるのでしょうね。スーツ姿の大学生を見ては、心の中で応援したくなります。
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Updated:2015年11月02日 キャンパス情報