キャンパス情報
せんせいの引き出し〜静岡文化芸術大学デザイン学部 峯郁郎先生〜
せんせいの引き出し(静岡時代6月号:vol27より)
大学の先生は、その専門分野で研究を重ねてこられた「知識の泉」です。先生方の知恵・雑学は大学生はもちろん、これから進学を考えている高校生にとっても驚くこと、興味深いことがたくさんあるはず。しかし、先生とお話をする機会ってなかなかありません。そこで、大学も学部も超えたオール静岡県の大学の先生による、web上での講義を開講。今回は、静岡文化芸術大学でプロダクトデザイン領域を専門とする峯先生に講義してもらいました。
■『ハーモニーに魅せられて』
僕はいつからかハーモニーの虜になっていた。もちろん音のハーモニー、歌や楽器とのアンサンブル、究極はアカペラ(無伴奏コーラス)。更に色のハーモニー、カタチや線、構成のハーモニー、人が集まると心のハーモニー、話し声や笑い、空間のハーモニーまでも。子どもの頃の鮮烈な記憶は何と言ってもザ・ピーナッツの絶妙のデュエット! 2人の声が一つになってハモる美しさに魅せられたのが始まりだった。記憶にある最初のライブ演奏は父親のハーモニカだった気がする、当時の親父の十八番は軍艦マーチだった。独りで伴奏しながらメロディーも吹く演奏は子ども心にスゴイと思ったものだった。舌を巧みに使って穴を閉じたりしながらのリズミカルな演奏には憧れはしたがなぜかマネをすることは無かった。
次の音楽体験はやはり父親の趣味だったレコード、クラシックをメインにいろいろなジャンルの音楽が家庭にあった。小さい頃、良くクラシックのレコードを聴きながら眠った、小さな家だったからお茶の間のステレオセットの音が寝床まで充分届き、今となってはあの狭くて小さな我が家に感謝している。
ベートーヴェンは良く聴いていた。そんな中、父親が買って来たベンチャーズのエレキサウンドは衝撃的で、その新しい音楽体験は脳天を突き抜けた! 気がした。特にエレキギター&ベースのサウンドとドラム演奏のリズムとのハーモニーが絶妙で、一気にドラム小僧に変身した。新聞広告を丸めて輪ゴムで縛って作ったスティックとダンボール箱がマイドラムセット、ボカスカ叩いてよく叱られた。ビートルズの素晴らしいハーモニーと出会うのはその少し後のことで、今ではそちらの方がフェイバリットとなっている。そうこうしている内に今度は4歳年上の兄が買って来たピーター・ポール&マリーのレコード、これがまた脳天を突き抜けた。男性2人とやや声の低い女性が織り成す素晴らしいハーモニー、アコースティックギターの伴奏が温かかった。
聴いているだけでは物足りないと感じるようになり、だんだん自分でもやってみたいという衝動に駆られ、その後PPMの耳コピーに明け暮れた。レコードとほぼ同じ音にまでたどり着いたのは高校2年の頃、スリーフィンガー奏法が出来るようになってからだった。

それからは自分でいろいろ見つけて来た音楽、特にハーモニーが美しいものばかりで、レターメン、スウィングル・シンガーズ、CSN&Y、シュープリームス、サイモン&ガーファンクル、挙げれば切りが無い。高校生の頃、ガロというグループがCSN&Y 、を彷彿とさせるハーモニーで登場し、そのコピーバンドが大阪に居た。コピーバンドも素晴らしいハーモニーのオリジナル曲を持っていて、実力差は歴然としていたがその同じステージで僕らのバンドは憧れだったレターメンのハーモニーに挑戦した、今でも良い思い出だ。大学生になると更に多彩な仲間が全国から集い、中でも音楽好き、演奏好き、ハーモニー好きの友人から影響を受け、ジャッキー&ロイやミルスブラザース、フォアフレッシュメン等を良く聴いていた。2人でハモったりして楽しんでいたが、彼はポピュラーソングコンテストにも出場するほどの実力を持ち、オリジナル曲も沢山創っていた。
日本にはタイムファイブなる素晴らしいジャズ系アカペラグループが存在し、彼らのレコードやCDも沢山購入し、そのステキなハーモニーに酔いしれた。母校の芸術大学ではデザイン専攻で音・音楽以外のあらゆる「造形的なハーモニー」にも出会い、魅せられ、そのまま音楽が溢れる楽器メーカーに就職することになり、ここでまた更に楽器やスポーツ用品、家具やキッチン等の商品と人々の生活、暮らしとのハーモニーの素晴らしさと出会い、今に至る。企業人から教員に転身した今、世界や社会の中でテンションの効いたハーモニーを奏でられる人材育成に少しでも役に立てれば幸いと感じながら日々を過ごしている、いや、まだ始まったばかりなのだ。
大学の先生は、その専門分野で研究を重ねてこられた「知識の泉」です。先生方の知恵・雑学は大学生はもちろん、これから進学を考えている高校生にとっても驚くこと、興味深いことがたくさんあるはず。しかし、先生とお話をする機会ってなかなかありません。そこで、大学も学部も超えたオール静岡県の大学の先生による、web上での講義を開講。今回は、静岡文化芸術大学でプロダクトデザイン領域を専門とする峯先生に講義してもらいました。
峯郁郎(みねいくろう)先生
静岡文化芸術大学デザイン学部生産造形学科教授。プロダクトデザイン、デザインマーケティングを担当。125年の歴史を持つ浜松の楽器会社で33年に亘り楽器や家具、スポーツ用品のデザイン開発を担当し、2012年4月より現職。音楽と美術をこよなく愛する関西人、大阪市住吉区出身。2006年より地元浜松の合唱団に所属し、年末は毎年アクトの大ホールでベートーヴェン第九を歌う、今年(2012年)で7回目。蟹座、O型。
http://www.suac.ac.jp/education/design/
静岡文化芸術大学デザイン学部生産造形学科教授。プロダクトデザイン、デザインマーケティングを担当。125年の歴史を持つ浜松の楽器会社で33年に亘り楽器や家具、スポーツ用品のデザイン開発を担当し、2012年4月より現職。音楽と美術をこよなく愛する関西人、大阪市住吉区出身。2006年より地元浜松の合唱団に所属し、年末は毎年アクトの大ホールでベートーヴェン第九を歌う、今年(2012年)で7回目。蟹座、O型。
http://www.suac.ac.jp/education/design/
■『ハーモニーに魅せられて』
僕はいつからかハーモニーの虜になっていた。もちろん音のハーモニー、歌や楽器とのアンサンブル、究極はアカペラ(無伴奏コーラス)。更に色のハーモニー、カタチや線、構成のハーモニー、人が集まると心のハーモニー、話し声や笑い、空間のハーモニーまでも。子どもの頃の鮮烈な記憶は何と言ってもザ・ピーナッツの絶妙のデュエット! 2人の声が一つになってハモる美しさに魅せられたのが始まりだった。記憶にある最初のライブ演奏は父親のハーモニカだった気がする、当時の親父の十八番は軍艦マーチだった。独りで伴奏しながらメロディーも吹く演奏は子ども心にスゴイと思ったものだった。舌を巧みに使って穴を閉じたりしながらのリズミカルな演奏には憧れはしたがなぜかマネをすることは無かった。
次の音楽体験はやはり父親の趣味だったレコード、クラシックをメインにいろいろなジャンルの音楽が家庭にあった。小さい頃、良くクラシックのレコードを聴きながら眠った、小さな家だったからお茶の間のステレオセットの音が寝床まで充分届き、今となってはあの狭くて小さな我が家に感謝している。
ベートーヴェンは良く聴いていた。そんな中、父親が買って来たベンチャーズのエレキサウンドは衝撃的で、その新しい音楽体験は脳天を突き抜けた! 気がした。特にエレキギター&ベースのサウンドとドラム演奏のリズムとのハーモニーが絶妙で、一気にドラム小僧に変身した。新聞広告を丸めて輪ゴムで縛って作ったスティックとダンボール箱がマイドラムセット、ボカスカ叩いてよく叱られた。ビートルズの素晴らしいハーモニーと出会うのはその少し後のことで、今ではそちらの方がフェイバリットとなっている。そうこうしている内に今度は4歳年上の兄が買って来たピーター・ポール&マリーのレコード、これがまた脳天を突き抜けた。男性2人とやや声の低い女性が織り成す素晴らしいハーモニー、アコースティックギターの伴奏が温かかった。
聴いているだけでは物足りないと感じるようになり、だんだん自分でもやってみたいという衝動に駆られ、その後PPMの耳コピーに明け暮れた。レコードとほぼ同じ音にまでたどり着いたのは高校2年の頃、スリーフィンガー奏法が出来るようになってからだった。

それからは自分でいろいろ見つけて来た音楽、特にハーモニーが美しいものばかりで、レターメン、スウィングル・シンガーズ、CSN&Y、シュープリームス、サイモン&ガーファンクル、挙げれば切りが無い。高校生の頃、ガロというグループがCSN&Y 、を彷彿とさせるハーモニーで登場し、そのコピーバンドが大阪に居た。コピーバンドも素晴らしいハーモニーのオリジナル曲を持っていて、実力差は歴然としていたがその同じステージで僕らのバンドは憧れだったレターメンのハーモニーに挑戦した、今でも良い思い出だ。大学生になると更に多彩な仲間が全国から集い、中でも音楽好き、演奏好き、ハーモニー好きの友人から影響を受け、ジャッキー&ロイやミルスブラザース、フォアフレッシュメン等を良く聴いていた。2人でハモったりして楽しんでいたが、彼はポピュラーソングコンテストにも出場するほどの実力を持ち、オリジナル曲も沢山創っていた。
日本にはタイムファイブなる素晴らしいジャズ系アカペラグループが存在し、彼らのレコードやCDも沢山購入し、そのステキなハーモニーに酔いしれた。母校の芸術大学ではデザイン専攻で音・音楽以外のあらゆる「造形的なハーモニー」にも出会い、魅せられ、そのまま音楽が溢れる楽器メーカーに就職することになり、ここでまた更に楽器やスポーツ用品、家具やキッチン等の商品と人々の生活、暮らしとのハーモニーの素晴らしさと出会い、今に至る。企業人から教員に転身した今、世界や社会の中でテンションの効いたハーモニーを奏でられる人材育成に少しでも役に立てれば幸いと感じながら日々を過ごしている、いや、まだ始まったばかりなのだ。
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Updated:2013年04月23日 キャンパス情報