静岡の街から
静岡の社長直伝!時流を生き抜く術〜『ワークの掟より』
ワークルールのあり方は、経済や社会と結びついている。そこで今回は、時流をサバイブしていくための経営学やワークルールの捉え方を、株式会社アルバイトタイムスの垣内康晴社長と株式会社サンロフト松田敏孝社長に伺いました。

■株式会社アルバイトタイムス
垣内康晴社長
1986 年に株式会社アルバイトタイムスに入社。2007 年に代表取締役社長に就任。新入社員に必ず伝える言葉は「自分で限界を決めずに、素直に笑顔で汗をかいてやってみる」。
【株式会社アルバイトタイムス】
静岡県発の人材関連会社。
求人情報誌『DOMO』の発行や求人情報サイト『DOMO NET』の運営を行う。
ピンチをチャンスに地方創生モデルをつくる
喫緊の課題は、若者を惹きつけるような地域の雇用マッチングです。静岡県は全国的にみても人口減少率が高く、年齢別人口も若者比率が著しく低く、とりわけ若い女性の転出が目立ちます。直近のデータでは、県外大学への進学率70%、Uターン就職率45%と他県の大学に進学した若者の戻り率も厳しい状況です。
元々、静岡県は全国的にも仕事が多い地域でしたが、リーマンショック以降は有効求人倍率は全国平均以下が続きました。最近は求人数が膨らんできましたが、若者を惹き付けるような魅力的な企業、仕事の創出と情報の交流が重要です。地方創生モデルとなる若者の雇用確保に向けて「一歩先へ進む」というのが、今の地域の動きですね。
オール静岡で取り組む地域密着の経営論
私たちが地域を元気にする会社を目指して地域と向き合った形で仕事をする上で、必要な条件は3つあると思います。地域になくてはならないトップサービスを持つこと、地域の課題に取り組むこと、地域を軸に縁を拡げることです。
私たちが取組むべき地域課題は、地域へ若者が戻ってくるような労働市場を求職側と求人側を情報でつなぐコミュニケーションビジネスでつくることです。東京や名古屋の事業拠点と静岡をつなげることもできると思います。実はリーマンショックの時、当時の取引の7割が落ちました。この厳しいときに創業地の静岡が応援してくれたんですよ。地域の役に立ちたいのは今も昔も同じです。
今はオール静岡で頑張っていく時期です。様々な立場や組織や経緯があっても地域をよくしようという思いは同じです。経営は同じ事業を同じようにやっていたら停滞します。変化に応じ新たなサービスや事業に挑戦し拡げることが経営の基本です。オール静岡で各リソースを重ね、地域雇用を拡げていく循環を生み出していきたいですね。



■株式会社サンロフト
松田敏孝社長
1982 年に株式会社東芝に入社。1992年に静岡県焼津市で株式会社サンロフトを設立。IT 業界に30 年以上携わる。趣味は読書と旅行とゴルフ。社内には「松田文庫」と呼ばれる書棚がある。
【株式会社サンロフト】
静岡県焼津市のIT 企業。
Web サイト制作、システム開発、幼稚園・保育園のIT 化支援を行う。
人口減、企業の海外進出雇用創出の鍵は「プロ」
今の日本は人口減少の時代で、加えて静岡県は人口転出者が全国ワースト2位です。企業の海外進出はそれに伴うひとつの時流です。製造業の工場移転に限った話ではなく、僕らIT業界も同じです。もともと日本はIT業界のステータスがあまり高くなく、IT系人材はゲーム会社に流れてしまう傾向があります。結構、採用が難しいんです。となると、自分たちの仕事のボリュームを落とさないために、海外とパートナーシップを組むことも考えねばなりません。クラウド化も進む今、今後より一層増えていくでしょうね。
また、働き方も変わってきてます。昔は働けば働くほど、生鮮量もあがり、それに応じて経済も成長していくと考えられていました。しかし、今は時間の量と生産量は比例しない時代です。そうした仕事は人員を必要とするため、海外へ出てしまっています。国内に雇用をどう生み出すか。企画力や発想力が求められる時代なのです。
レイバーからワーク、ワークからプレイへの時代へ
弊社はハノイのIT企業と提携しています。企画プランニングやお客様への提供を弊社が、プログラムやWEBサイト制作などの生産をハノイの企業が行っています。実はベトナムは人気職種のナンバーワンがIT企業なんです。さらに、国策により優秀な学生は国費で日本に留学できます。日本の大学で勉強し、日本の企業に就職し、日本の商習慣を勉強し、そうして自国に帰り起業している人が多いわけです。仕事がやりやすいですし、何よりワクワク感があります。
昔の労働は「レイバー」と言い、肉体労働が主流でした。それが知識や技能を導入して仕事をする「ワーク」になりました。これからは「プレイ」です。よりクリエイティブな働き方が求められ、そういう仕事が高い付加価値を生んでいくと言われています。僕はその考え方が凄く好きなんです。自分にしかできないプロフェッショナルになれたら最高なんじゃないかな。


働く私の静岡時代〜株式会社 サンロフト〜
JR三島駅〜日本大学三島キャンパス〜極私的、古地図研究会
働く私の静岡時代〜株式会社江﨑新聞店〜
働く私の静岡時代〜まちと人をつなぐ情報流通企業 株式会社しずおかオンライン〜
働く私の静岡時代〜まちと人をつなぐ情報流通企業 株式会社しずおかオンライン〜
Updated:2000年03月16日 静岡の街から