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ふじのくに薬剤師シゴト大全〜これからの社会で求められる薬剤師とは?〜

シリーズ:ふじのくに薬剤師シゴト大全(1)
就活を目前に控えた、静岡県立大学薬学部生の川崎温子さんと有泉早紀さん。学んできた薬学を人や社会のためにより良い形で活かすためにはどうしたら良いのか?薬剤師として静岡県庁で働く内田貴啓さんと八木聡子さんに、現役生が聞きました。

ふじのくに薬剤師シゴト大全〜これからの社会で求められる薬剤師とは?〜

■座談会メンバー
現在約9割の薬剤師が、病院・薬局・医薬品関係企業で働いています。
その中で行政薬剤師の道を選んだ先輩にその理由や仕事の面白さを伺いました。


ふじのくに薬剤師シゴト大全〜これからの社会で求められる薬剤師とは?〜




自分が譲れないこと =「仕事選びの軸」。


——これから就活を迎える学生の二人は今どんな進路を考えていますか?

川崎さん:私は臨床試験を行う研究室に所属しているので、現時点では製薬会社における新薬の開発に関わる職種に関心があります。

有泉さん:私は、病院薬剤師として研究もできる大学病院で働くことを目指しています。インターンシップや実習で様々な職場を見させてもらいましたが、私は患者さんに近い位置で働ける環境に特に惹かれています。

内田さん:私が就活した時は、最後まで悩んでいましたよ。自分の性格的に、飽きがこないような職場環境が合っていると思っていたので、静岡県なら薬事衛生から環境衛生、研究や産業育成などあらゆる分野の仕事を経験できると知って受験しました。

川崎さん:正直なところ、私はまだ仕事選びの軸を定められていなくて不安もあります。自分が社会でどう人々の生活に貢献できるのか、先ほど製薬会社と言いましたが、県庁等も含めて悩んでいます。

八木さん:初めはわからないことだらけですよね。私の場合は、そもそも薬剤師として働きたかったというより、好きな化学を学べて、資格も取れる学部が良いと思った結果、薬学部に入ったという状況でした。ですから就職先選びも0からのスタートで、病院・薬局の実習やCROのインターン、製薬会社の見学など、まずは多様な職場を知るように心がけたんです。最終的な判断軸は、例えば薬局や製薬会社等の専門に特化するスペシャリストになりたいのか、反対に行政等で幅広い人・分野を対象として仕事をするジェネラリストになりたいのか、という二択で、私は後者がいいと思ったんです。

ふじのくに薬剤師シゴト大全〜これからの社会で求められる薬剤師とは?〜

ふじのくに薬剤師シゴト大全〜これからの社会で求められる薬剤師とは?〜
▲「下田など様々な県内地域で働けるのも県の特徴です」と内田さん。

有泉さん:私もつい最近まで悩んでいましたが、実習等の振り返りをきっかけに方向性が見えてきたんです。今は患者さん一人ひとりに向き合えることを軸に就活をしようと決めました。

川崎さん:私は病院実習を通して有泉さんと反対のことを考えるようになって、どちらかと言えば多くの人に向けて仕事をしたいと思うようになりました。社会には大きな病気で苦しむ人が本当にたくさんいるんだということを病院で実感して、そう思ったら、製薬会社はもちろんですが、その他の選択肢ももっと知っておきたいと考えるようになりました。

——静岡県庁には薬剤師の様々な仕事がある中、内田さんと八木さんは現在どのような業務を担当していますか?

内田さん:私の今の所属はくらし・環境部環境局の廃棄物リサイクル課です。市町にあるゴミ焼却場などの管理状況を監視・指導しています。ちなみに去年までは、下田市にある賀茂健康福祉センターで水道事業の監視・指導を担当していました。

八木さん:私も内田さんと同じ環境局の生活環境課で公害関係の業務に携わっていて、大気汚染や水質汚濁の監視、また騒音・振動問題の相談を受けています。以前は私も賀茂健康福祉センターで、薬事・食品衛生等を担当して、特徴的な仕事としては、薬局や病院の監視・指導のほか、旅館の調理場の監視にも行きましたし、温泉の監視・指導にも関わりました。会社を変えなくても、異動という転職のような機会が必然的にあるのは刺激にもなります。

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▲昨今、薬局薬剤師に求められている「かかりつけ薬剤師」。静岡県庁で働く内田さん、八木さんは、現在の部署では直接的な関わりはないものの、今後その動きを補助金や研修等の制度をつくり支える立場になる可能性もあるため、情報収集は欠かせない。


転換期にある薬剤師業界で、継続的な勉強は必須


——今かかりつけ薬剤師に注目が集まるなど、社会の変化とともに求められる薬剤師像も変わってきますが、これから社会で働く薬学部生の皆さんに先輩の立場から伝えたいことは?

ふじのくに薬剤師シゴト大全〜これからの社会で求められる薬剤師とは?〜

八木さん:同じ仕事を続けていたとしても、社会の状況や制度は変わっていきますし、薬もどんどん新しいものが出てきますから、自分の専門領域に関わらず広く情報収集はしていた方がいいと思いますね。やりたいと思った仕事で薬剤師として働くなら、それに対する期待に応えていく姿勢は忘れないでほしいです。

内田さん:私も同感です。最近は6年制を経た人材が入ってくることに期待もあると思います。だからこそ、と言ったらプレッシャーになるかもしれませんが、やはり働き出しても勉強し続けてほしいです。

川崎さん:資格が直接活かせるか、だけではなくて、一人の薬剤師、一人の人間として、真摯に仕事ができる道を見つけていきたいです。

有泉さん:静岡県にある薬剤師の仕事の多様さを垣間見れた気がします。専門特化で仕事をするとしても、幅広い知識を身につけるよう心がけて、より自信を持って患者さんと向き合えるようになりたいと思います。


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静岡県庁
◉お問い合わせ
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
☎054-221-2410
Web:くらし・環境部→ https://www.pref.shizuoka.jp/a_content/1_kurashi.html

◉静岡県薬事課からのおしらせ
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