静岡の地元情報が集まる口コミサイト:eしずおか

静岡時代 シズオカガクセイ的新聞

キャンパス情報

せんせいの引き出し〜静岡大学教育学部:色川卓生先生〜

静岡時代:せんせいの引き出し
様々な専門分野で研究を重ねてこられた「知識の泉」をもつ先生たちのエッセイをつづる【せんせいの引き出し】。今回は、静岡大学教育学部で生活経済学などを専門とする色川卓生先生のお話をご紹介します。


色川卓生先生
静岡大学教育学部准教授。東京生まれ。専門分野は生活経済学、消費者教育論など。研究所で色々なことをやらされたこともあって、今でも社会意識や家計の国際比較など、様々な分野に手を出しています。最近、特に興味をもっていることは、どうすれば学校現場に消費者教育が定着するのか、そして教える内容はどうあるべきなのかということです。


■私の恩師/私が恩師?

私は現在の大学に赴任して12年目である。以前は研究所にいたので、研究だけが好きだったら、大学に移る必要はなかった。でも私にとって教えることは、研究以上の魅力をもったものに感じていたから、大学に移ろうと思ったのである。

なぜそんなに教えることに魅力を感じていたのか。それはこれまで私が教わってきた魅力的な先生に、私もなりたいと思ったからだろう。高校時代を除いて、小学校から大学院まで、それはそれは多くの魅力的な先生方にご指導を受けた。

そんな私にとって、一人だけ恩師をあげるとすると、小学校1、2年時代の担任のK先生であろう。K先生は当時、ふくよかでやさしそうな微笑みがすてきな中年の女性の先生だった。小学校に入学した当時の私は、授業中でも落ち着きがなく、手を挙げるときには当ててもらいたいがために、先生のそばまで走っていくようなとんでもない子であった。ところがそんな悪ガキの私に対して、K先生は怒ることもなく、やさしく微笑みながら諭してくれたのである。心配している母親に対して、K先生は「たくちゃんは大器晩成だから、きっと将来伸びますよ」と逆に慰めていたのを思い出す。K先生のおかげで、私は教えることの魅力、教育を通じて培われる人間関係のすばらしさを知ったのである。

今、私は校種の違いはあるが、K先生の立場になっている。私もK先生のように学生たちに対して、長所はほめ、短所はやさしく諭すようにしてあげたい。確かに学生たちをみていると、みんな必ずいいところを持っている。それはほめたいのだが、心配な点にも目にいって、つい心配な方を言ってしまう。これではとうていK先生には及ばないなと、いつも反省ばかりだ。私がK先生に抱く気持ちを、私と関わった学生が私に持ってくれればうれしいのだが、その道のりはかなり遠いようである。夢は夢で終わった方がよいのではないかと、最近は少し諦めの境地に至っている。



同じカテゴリー(キャンパス情報)の記事画像
せんせいの引き出し〜静岡大学理学部地球科学科:石橋秀巳先生
【2016年】静岡県内大学の夏季オープンキャンパス情報!
「長男は結婚相手に不向き?」恋愛相談by学術〜静岡文化芸術大学 森山一郎先生
せんせいの引き出し〜静岡県立大学薬学部実践薬学分野:並木徳之先生
せんせいの引き出し〜静岡大学人文社会科学部 平野雅彦先生〜
せんせいの引き出し〜浜松学院大学現代コミュニケーション学部 土倉英志先生〜
同じカテゴリー(キャンパス情報)の記事
 せんせいの引き出し〜静岡大学理学部地球科学科:石橋秀巳先生 (2016-07-21 23:21)
 【2016年】静岡県内大学の夏季オープンキャンパス情報! (2016-07-14 18:00)
 「長男は結婚相手に不向き?」恋愛相談by学術〜静岡文化芸術大学 森山一郎先生 (2016-06-22 18:00)
 せんせいの引き出し〜静岡県立大学薬学部実践薬学分野:並木徳之先生 (2016-06-21 18:23)
 せんせいの引き出し〜静岡大学人文社会科学部 平野雅彦先生〜 (2016-05-27 00:00)
 せんせいの引き出し〜浜松学院大学現代コミュニケーション学部 土倉英志先生〜 (2016-04-21 12:00)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
せんせいの引き出し〜静岡大学教育学部:色川卓生先生〜
    コメント(0)